遠心力とは

2019年12月18日

物理の「円運動」は遠心力・向心力・慣性力と力の種類が色々出てくるので、つまづく人が多い分野です。

家庭教師をしていてもこの分野の質問は多いですね。

今回はこの「円運動」について解説していきます。

この記事を読むことで

・遠心力がなにか分かる
・向心力・遠心力・慣性力のそれぞれの違いを明確に説明できるようになる。

・水の入ったバケツを振り回している人を見て「遠心力がはたらいてるね。」と言うことが間違いだと分かる。

などのメリットが得られます。

まずはじめに、円運動を考える上で絶対に避けては通れない ”向心力” について解説します。

向心力とは

カルーセル

皆さんの身の周りで円運動するものといえば何がありますか?

遊園地のぐるぐる(写真のやつ)・何か紐付きのものを振り回した時(円錐振り子)・回転する円盤の上に乗ってる物体・惑星の運動 etc…

それら円運動をしている物体には共通して、円の中心方向への力が働いています。

円の中心方向への力

・遊園地のぐるぐる・振り回した物体:紐による張力

・回転する円盤上の物体:円盤と物体間の摩擦力

・惑星の公転:万有引力

この円の中心方向への力がないと物体は円運動をできません

これは考えたら当たり前のことで「遊園地のぐるぐる」の紐が回ってる途中で切れたら、紐による張力がなくなるため乗ってる人は円運動できなくなりますよね。

この円の中心方向の力のことを向心力といいます。

向心力の説明の図

向心力は円運動する系によって、張力のことだったり摩擦力のことだったり万有引力のことだったりします。

つまり「具体的な作用力の名称」は円運動している物体とかその状況によって変わりますが、総じて中心向きの力を向心力と呼ぶという事です。


一旦まとめると、

向心力=円の中心向き円運動が起こるために必須の力で、円運動によって紐の張力のことだったり万有引力のことだったりする。

簡単ですよね。


さて、次はお待ちかねの大人気つまづきポイント、

慣性力” について話を進めていきます。

慣性力とは

円運動は

・止まってる人として、円運動している物体をはたから見ている人の視点で考えるとき

・円運動している物体そのものの視点で考えるとき

の視点の違いによって、二通りの考え方ができます。もしあなたの高校の物理の先生が細かいところまで言及してくれる良い先生であったなら、このことを授業中にチラッと聞いたことがあるかもしれません。

この「円運動は二通りの考え方ができる」理由は、「二つの視点の座標系が違うから」です。

物理で「座標系が違う」というは、生き物に例えるとだいたい「コウノトリ」と「フンコロガシ」くらい違いますので(分かりやすい)、ごっちゃにならないように気を付ける必要があります。

それでは具体的に「視点によって異なる2つの座標系」の違いを見ていきます。

視点による座標系の違いについて

立ち止まって、回転している物体を見ている人の視点

カルーセル

子供がこれ↑に乗っているのを、下から見ている親の視点です。

この立ち止まっている親御さんは慣性系という座標系にいます。

慣性系とは「慣性の法則(運動の第一法則とも呼ばれる)が成り立つときの座標系」のことです。

(慣性の法則=物体に外力が作用しない限り、その物体は静止し続けるか、等速直線運動を続ける。)

で、慣性系とかいう名前のくせにこっちの座標系では「慣性力」という力は出てきません。

出てくるのは次に述べる座標系で回転体を考えた時です。

回転してる物体そのものの視点

先ほど述べた「慣性系」以外の系を非慣性系といいます。

(加速・減速・回転している物体そのものの視点がこの非慣性系にあたり、特に「回転してる物体」は非慣性系のなかでも回転座標系と呼ばれる座標系になります。)

カルーセル

これ↑に乗っている子供の視点(つまり回転物そのものの視点)です。

この非慣性系では慣性力という「見かけの力」が出現します。

上述の通り「慣性力=物体を非慣性系で考えたときに出現する、見かけの力」です。

つまり慣性力慣性系の概念という事です。


ここでやっと遠心力が語れるようになります。

なぜ「視点による座標系の違い」なんてものの解説をしたかというと、遠心力の説明をするにあたって、この違いについての理解が必要だったからです。

遠心力の定義

さきほど、

・「回転してる物体」は非慣性系のなかでも回転座標系と呼ばれる座標系である。

と解説しました。

そして、この回転座標系について考えたときに導入する慣性力のことを、遠心力

と言います。

つまり、

遠心力 = 慣性力 (= 非慣性系の概念

(=慣性系では存在しない概念

ということになります。

なので慣性系から円運動を見たときは遠心力という力は存在しません。
つまり、突っ立っている人が、はたから円運動をしている物体を見ても「遠心力」という力は見えない(見えるはずがない)という事になります。

だから【水の入ったバケツを振り回している人を見て「遠心力がはたらいてるね。」と言うことが間違い】なのです。

もし「遠心力がはたらいてるね」と、どうしても言いたい場合は

・バケツの中に自分も入って、誰かに振り回してもらい、自分も回転座標系の立場になる

必要があります。笑


さてここまでで一通り”向心力”・”慣性力”・”遠心力”といった円運動で出てくる用語の解説が済みました。

まとめると、

【円運動で出現する力】

・向心力:円運動が起こるために必須の「中心方向に引き付ける力」。これが無いとそもそも円運動が起こらない。

・慣性力:物体の運動を非慣性系の立場で考えたときに出現する「見かけの力」。

・遠心力:上述の「慣性力」の一種。非慣性系の中でも、物体が回転している時(物体が回転座標系にある時)の慣性力。

となります。

分かりにくかったら解説や追記しますので、ささいな事でも気軽に質問してください。
(ちなみに質問がくると普通に嬉しいです。少し遅くなるかもしれませんが、メール or コメント欄でほぼ必ず返信します)

さてここからは円運動について、具体的に異なる二通りの考え方で考えてみます。

円運動の2通りの考え方

非慣性系である回転座標系(円運動している物体の視点)で考える場合

物理の問題を解く際はこちらで考えるのがおすすめです。
「力の釣り合い」が使えるため、考えやすいです。

回転座標系の立場で物体を見たとき、物体は静止して見えます。

これはあなたが実際に「遊園地のぐるぐる」に乗っているのをイメージしてください。

周りの景色はぐるぐる回っているので回転しているのは理解できますが、自分の乗っている乗り物は止まっているように見えるでしょう。

回転運動しているので向心力が働いているのですが、物体は静止しているのでなにかしら向心力との釣り合いを保つ力が存在していると考えます。

この自分が回転しているときに感じる、向心力と釣り合う外側向きの見かけの力が遠心力です。

力の釣り合いから、遠心力=向心力=mrω² が使えます。

慣性系(止まってる人の視点)から円運動を観察した場合

感覚的に考えると、モノを考えるときは立ち止まった方が考えやすそうな気がしますよね。

しかし円運動の場合は、慣性系(立ち止まって回転物を見る)で考えるとちょっとややこしいことになります。

まず、慣性系から円運動している物体(ここでも「遊園地のやつ」について考えています)を見た場合、私たちは向心力のみしか観測できないです。
(簡単のために重力を無視)

に、慣性系で向心力と釣り合う向きに「なにかしらの力」が働くとすると、物体にかかる実質的な力はゼロ、つまり物体にかかる外力はゼロになります。
しかし、この「外力ゼロなのに円運動している」という状態は、慣性系の慣性の法則:「外力ゼロの場合、物体は静止 or 等速直線運動しなきゃいけない」という絶対の決まりごとに対して矛盾が生じてしまいます。
ちなみにこの「絶対の決まり事を破る」というのは、「脱税する事」くらいわるい事です(分かりやすい)。

よって慣性系で考えると、物体にはかかる実際の力は向心力のみになります。(重力は無視)
つまり、イメージしやすい「力の釣り合い」の式を使うことができず、問題を解くときは運動の第三法則「作用・反作用の法則」を使う必要があります。
(「壁を手で押した時、壁も同じ力で手を押しとる」ってやつです。)

慣性系なので「遠心力」という概念はもちろん使えないため、「作用・反作用の法則」で出てくる外向きの力は、いちいち「向心力の反作用」って言わなければならず、めっちゃウザいです。

問題を解くときは回転座標系での考え方がおすすめ

さきほども述べましたが、物理の円運動の問題を解くときは回転座標系(物体そのものの立場)で考えるのがおすすめです。

回転座標系で考えることにより

向心力=遠心力

という力の釣り合いの関係性が成り立ちますので、イメージがつきやすい形で問題を扱えます。

その上で、「立場の違いによって2通りの考え方ができる」ということと、その理由(座標系が違うから)だけ、頭の片隅に置いておいて頂けたらと思います。

まとめ

今回は物理の円運動分野についての解説をしました。

文中で述べましたが、質問等あればコメントや問い合わせ欄からドシドシ送ってください!

需要があるのか分かりませんが、たまにこういった特定分野の解説もしたいと思います。

また他の記事では、私が独学の大学受験で使った物理の参考書を実際に使った時系列で紹介したり

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Posted by arabica